現在の世界地図で Japan (ジャパン=英語読み)と書かれる日本のことについてはモンゴル王朝(元)の時代にマルコポーロが Zipang としてイタリアで「東方見聞録」という旅行記を著したことから始まります。
なぜニホン/ニッポン(日本)がジパングになったかを考えるときに思い浮かんだ想定があります。
多分 元の国でも漢字が使われており 日本 と書かれていたと思われますが、読み方は ? です。
わが国でも ニホン:ニッポン と二つの呼び方があり、 一つずつの文字の読み方は 日 が 大和言葉では ひ であり、日付や太陽のことを指す言葉ですが、音読み即ち中国音読みでは ニチ と ジツ の二つになります。 本 のほうは 大和言葉では もと で、中心や根本を指す言葉ですが、音読みでは ホン と ポン ボン の3つがある。
漢音には北京語と地方語で読みが異なり、日:ニチ が北京語、日:ジツ が地方語(南朝語)の可能性が強い。司馬遼太郎の本では閩南語(ビンナン語)読みが二つ目の漢字発音として日本に伝わっているという。 (1番目として最初に伝わってきた南京中心の呉音であり、その呉音のなまったのビンナン語といえる。唐の時代になってから空海などが北京から持ち帰った発音が2番目となる。)
例として 正 は呉音では ショウ 北京語では セイ と読む。
日本という文字は日本人にとっては ニホンですが、文字の読み方としては ニチホン;ニッポンという系統の読みと、ジツホン;ジッポンと2系統の読み方があることになる。
元の時代は南宋を滅ぼしたモンゴルの帝国ですが、南宋では呉音が用いられていたので、日本という文字は ジッポン と読まれていたと推察される。
ここから ジッポン ZIPANG(ジパン) JAPAN と なったと考えられる。 なお、日本っ人の ウ の発音は世界的な標準から見ると ウォの発音に近く、 オ の発音も オゥ の発音になりやすく、英語の発音が悪いといわれるゆえんなので、ジッポンとジッパンは非常によく似た発音なのです。更にZipangの最後の G ですが Hongkong をホングコングとは言わないでホンコン、 Shanghai もシャングハイではなくシャンハイですから、Zipang はジパングではなく、ジパン というべきです。
ニッポンを NIPANG と書くつもりが、手書きの走り書きで N が傾いて Z に見えたという 想像もありますけどね (~~♪ 。
現代の北京語では 日本 は リーベン と発音され 台湾では ズーベン の違いがありますが、台湾は福建と隣り合わせでビンナン語の世界ですから 日 を ジツ と読むのが更になまっているのかも? 同じ漢字を使う台湾では北京語と並んでビンナン語も使われるので複雑です。日本人と書いてなんと発音するかと聞くと ズーベンレン だという。
タイでは ジープン と呼ばれます。ジャパンからきた言葉で無く、戦国時代からアユタヤ朝(シャム:サイアム)と山田長政との関係があり、シャンハイ付近からの中国移民も多かったので 日本(ジッポン) からの変化と考えられる。
音読みが中国の発音なのですが、日本に伝わった当時から見ると大幅に発音が変わっています。 北京とかいて 大和時代の読み方なら ホクキョウ のはずですが、麻雀が伝わった時代には ペイキン(ペキン)になり、いまでは ベイジン と変わってきています。 漢語の ニチホン:ニッポン ではなく、呉音の ジツホン:ジッポン がジャパンとなって生きていると言える。
少し歴史を通して推察すると見えてくるものがありますねぇ (~~♪。
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