名古屋市の河村市長が「南京大虐殺事件は無かったのでは?」と中国側へ伝えたことから中国側が大騒ぎをしているという。
河村さんとしては正直な気持ちだったのだろうと理解できますが、基本的な認識不足があると思われます。 正常な戦闘行為のなかでの犠牲者の発生はやむを得ないという、基本理念からの発言なのですが、侵略者として、更には最終的に敗者として無条件降伏をした日本が正当な戦闘行為として主張できる立場ではないことを知るべきです。 敗戦処理として行われた軍事裁判では南京裁判で30万を虐殺したとして4人が死刑にされていますが、100人を斬り殺したと自慢する人や300人を切ったと自称する兵隊もいたという。東京裁判でも20万人を虐殺した件に関し、捕虜を捕らせない命令を出した責任者として方面軍司令官が死刑となっているのです。また、兵士の日記なども見つかっており、捕虜をとらないという上官からの指令で降服した中国兵を殺したことは事実のようですが、敗戦国として押し付けられた判決だとして無視しても良いほど軽い事実ではありません。 1937年のことですので、未だ英米との戦争は始まってなくて南京には外国の領事館員や報道記者も沢山いて、彼らの目撃報道が沢山残っているようです。 大げさな面がどうしてもありがちなので、結果30万人の虐殺に繋がっているようであり、東京裁判では20万人に削減されたとか、裁判記録に残っている様子です。
侵略の被害者として大きな損害を被った中国の立場を考慮したら、軽はずみな発言をするべきではないのです。 中国側が言うような30万もの人を虐殺したという南京事件が大げさな表現だというのは確かでしょう、当時の南京市民の総数が20〜25万人だったということが判っているようですし、そこへ立てこもった中国兵を足しても30万人では皆殺し状態であり、あり得ません。しかし、降伏した中国兵を皆殺しにし、民間に潜り込んだ中国兵を捜索するとして全ての民家に押し入って怪しいと思われる男を引きずりだして処刑したという事実はまちがいなく、最低でも2万人から6万人ぐらい、多めに見れば10万人を超えるかもしれません。捕虜を収容したという実績がなく、無抵抗の降伏兵を殺害してしまったことが明らかです。
外国記者の報道でそれがあからさまになり、軍部がそれを隠そうとして沢山の資料を廃棄し、うち消しに躍起になったことも事実です。 戦争全体で1,000万人もの犠牲者を出したと言われる中国が侵略した日本を憎む気持ちも理解しなくてはいけません。
軍国主義者、日本軍事政権などに責任を取らせて済まされることではありません。日本陸軍だけではなく、一般国民も開拓者として、又産業戦士として大量に中国へ進出していたわけですが、中国人の立場から見れば彼らも兵隊と同じ日本人なのです。責任ある立場の日本人が責任逃れ的な発言をしたとして糾弾されることになってしまったということになります。
河村氏いわく”日中友好の刺を抜こうとした”と主張されていますが、抜くのではなく更に深く突き刺した結果となってしまいました。
事実研究は政治家の判断ではなくて歴史研究学者に任せるべきことです。
言わないでもいいことを口に出して相手に賢く利用されてしまったことになる。
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